1. “売れる”LPの重要ポイント
本記事では、食品ECにおける “売れる”LPを制作するための実践的なノウハウを解説します。食品ECの売上において数々の実績を上げてきた我々が挙げる、LP作成における重要ポイントはズバリ下記の通りです。
- 期待値の上げすぎには注意しつつも、情報は盛り込んで構成
- 必要な情報を不足なく提示する
→ 指名買い、衝動買いのいずれにおいても、十分な情報量は欠かせません。 - 需要から購買に至るまでの流れを想定し、それに沿ったLP構成を設計する
- 商品の特性や訴求ポイントに応じて適切な撮影・セレクトを行うことが不可欠
- 昨今のトレンドにも注意が必要
→ かつては楽天などのモールで縦長のLPが重宝されてきましたが、現在はフリック操作に適した正方形画像の活用が重視されています。
→ 正方形を連続させることで縦長LPとしても機能するため、「正方形の連続LP」が効果的。
2. 売れるLPの基本構成
効果的なLPは、ただ情報を羅列しただけでは成立しません。ユーザーの心理の流れに合わせて構成を設計する必要があります。
弊社が数多くの食品LPを制作・改善してきた中で導き出した答えが、「A→I→D→S1→S2→S3→A」 の順に構成することです。これは、購買心理を段階的に動かすためのフレームワークであり、以下のようなステップで組み立てます。

- A(Attention:注意を引く)
- I(Interest:興味を持たせる)
- C(Conviction:納得させる)
- S1(Suggestion:提案する)
- S2(Security:不安を解消する)
- S3(Summary:情報を整理する)
- A(Action:行動を促す)
- なぜこの構成が有効なのか
- ファーストビューが果たす3つの役割
- 訴求ポイント別のデザイン戦略
- ファーストビューについてさらに詳しく!
- 1. ファーストビュー(A:注意を引く)
- 2. ランキング・レビュー・販売実績(I:興味を持たせる)
- 3. 商品の特徴・こだわり(C:納得させる)
- 4. 店舗・ブランド紹介
- 5. 商品ラインナップ
- 6. おすすめの人・利用シーン(S1:提案)
- 7. アレンジレシピや活用提案
- 8. 安心・安全の裏付け(S2:不安を解消)
- 9. 商品の詳細情報
- 10. 商品まとめ(S3:情報を整理)
- 11. クロージング用ファーストビュー(A:行動促進)
- 写真が果たす役割
- 訴求ポイント別・効果的な写真
- 複数要素を組み合わせる工夫
- 撮影・選定時の注意点
- 魅力的な食品の写真についてさらに詳しく!
- 1. 「当たり前」を徹底的に書く
- 2. レビューや実績を誇張して見せる
- 3. 安心感の演出を欠かさない
- 4. 情報を過不足なく提示する
- 5. 利用シーンやストーリーで購買を後押しする
- 6. デザインを軽視しない
- 7. 行動を促す仕掛けを入れる
A(Attention:注意を引く)
ファーストビューで「美味しそう」「センスが良い」と直感させる。シズル感やボリューム感のある写真、シンプルで印象的なコピーが効果的。
I(Interest:興味を持たせる)
ランキングやレビュー、販売実績など第三者の評価を提示し、「もっと知りたい」と思わせる。数字や著名人の推薦は特に有効。
C(Conviction:納得させる)
商品のこだわりや差別化を示す。「無添加」「国産素材」「職人の手仕事」などで他商品との違いを納得させる。
S1(Suggestion:提案する)
利用シーンやターゲットを具体的に提示。「忙しい日の夕食」「お酒のおつまみ」など、ユーザーが自分ごと化できる提案を行う。
S2(Security:不安を解消する)
衛生面・保存性・ギフト対応などの不安を払拭。認証マークや老舗の歴史、梱包の丁寧さを示すと効果的。
S3(Summary:情報を整理する)
特徴や魅力を箇条書きなどで整理。「3つのおすすめポイント」などで記憶に残しやすくする。
A(Action:行動を促す)
強いビジュアルや「数量限定」「季節限定」といった希少性を活用し、最後に購入を後押しする。
なぜこの構成が有効なのか
ユーザーは商品ページを見ている間、無意識に「気になる → 納得する → 不安を解消する → 決断する」というプロセスを踏んでいます。この心理の流れに沿った構成を作ることで、ストレスなく購買行動に進めるのです。
つまり、この構成は「自然と買いたくなる導線」を形にした設計図であり、食品ECのLPにおいて極めて有効な手法なのです。
3. ファーストビューの作り方
LPの冒頭に位置する「ファーストビュー」は、最も重要なパートです。ユーザーはページを開いた瞬間、数秒で「読むか閉じるか」を判断します。もしその瞬間に「美味しそう」「お得そう」「信頼できそう」といった感情を喚起できなければ、スクロールすらされずに離脱されてしまうのです。食品ECにおいて、ファーストビューはまさに成否を分ける決戦場と言えます。
ファーストビューが果たす3つの役割
1. 第一印象で「食欲」や「好奇心」を喚起する
食品は視覚的インパクトが購買意欲を左右します。湯気、照り、断面の美しさといった「シズル感」は、理屈ではなく感覚で心を動かします。
2. 瞬時に「この商品は何なのか」を伝える
例えば「冷凍餃子」「贅沢プリン」といった商品ジャンルがひと目でわからなければ、ユーザーは混乱します。写真・コピー・価格帯の組み合わせで、最初の3秒で理解できる設計が必要です。
3. 「他にはない価値」を提示する
美味しそうに見える食品は世の中に溢れています。その中で「大容量でお得」「贈り物に最適」「有名ブランドの品」といった差別化ポイントを同時に見せることが重要です。
訴求ポイント別のデザイン戦略
- シズル重視
照りや肉汁、湯気などを強調したアップ写真を使い、キャッチコピーは「じゅわっと広がる旨み」など感覚的な表現にする。引きの写真より寄りの写真が効果的。 - メガ盛り/コスパ重視
ボリューム感を一目で理解できる構図が必須。「どっさり1kg」「家族4人でたっぷり」など数字と一緒に見せると説得力が増す。 - ギフト重視
箱やラッピングを含めた写真を用い、季節イベント(母の日、父の日、お中元など)を意識したテキストを添える。「上品なパッケージ」「特別感が伝わる」などの表現が効果的。 - ブランド重視
有名店や老舗であれば、ロゴや看板商品を全面に出すだけで信頼感が高まる。「創業○年」「テレビで紹介」などの権威づけも一緒に提示すると強力。
ファーストビューについてさらに詳しく!
こちらの記事にて、食品ECのLPにおける「魅力的なファーストビュー」について、より詳しく解説しています。
ぜひこちらも併せてご覧ください。
4. コンテンツに入れるべき要素
売れる食品LPには、必ずと言ってよいほど共通して含まれている要素があります。これらを順序立てて盛り込むことで、ユーザーの心理を購買へと導く導線が自然に出来上がります。一つひとつ解説していきましょう。
1. ファーストビュー(A:注意を引く)

冒頭で「何の商品か」「どんな魅力があるのか」を即座に伝える必要があります。
- 商品そのものの写真を大きく配置
- セット内容や数量が一目でわかるように表現
- キャッチコピーで「食欲」「お得感」「ギフト感」を強調
これによってユーザーは「自分に必要な商品かどうか」を瞬時に判断できます。
2. ランキング・レビュー・販売実績(I:興味を持たせる)


次に重要なのは「多くの人に選ばれている」という事実です。食品は実際に試すまで味がわからないため、他人の評価が信頼材料となります。
- 「楽天ランキング1位獲得」「レビュー★4.8/累計1,000件突破」など数字を前面に出す
- レビュー文から「こんな人におすすめ」という内容を抜粋
- 実店舗の販売数やメディア掲載実績も効果的
客観的な実績は、初めて見るユーザーの警戒心を一気に和らげます。
3. 商品の特徴・こだわり(C:納得させる)

興味を持ったユーザーに「他と何が違うのか」を説明するパートです。
- 無添加、国産素材、職人の手作りなどを大きく訴求
- 他社商品と比較して優れている点を明確化
- 「当たり前」でも繰り返し強調する(例:多くの青汁が無添加でも、改めて強調すべき)
食品は「健康・安全」に直結するため、安心できる情報はどれだけ繰り返しても無駄になりません。
4. 店舗・ブランド紹介

ここで「誰が作っているか」を伝えます。生産者やブランドの顔が見えることで、単なる商品ではなく「物語」を感じてもらえます。
- 創業の想い、歴史、理念
- 実店舗の人気やファンの存在
- 生産地の紹介や、仕入れのこだわり
「ただ安いから売っている」ではなく、「使命感や情熱を持って届けている」という姿勢を打ち出すと信頼が高まります。
5. 商品ラインナップ


アソートやセット商品では特に重要です。
- それぞれの商品の写真を並べる
- 一つひとつに簡単な説明を添える
- 「どれを選んでも満足できる」という期待感を作る
選択肢が多いと迷わせてしまうため、見やすく整理された一覧表示が効果的です。
6. おすすめの人・利用シーン(S1:提案)

「自分に合う商品だ」と感じさせるために、利用シーンを具体的に提示します。
- 「忙しい日の夕食に」「お子様のお弁当に」「お酒のおつまみに」
- 「受験勉強を頑張るお子様に」「一人暮らしの仕送りに」
ユーザーが頭の中で具体的なシーンを思い描けると、購買意欲は格段に高まります。
7. アレンジレシピや活用提案

基本的な食べ方に加え、「こんな楽しみ方もあります」と示すと、商品の汎用性が広がります。
- レシピ写真を掲載し、「料理好き」層にアピール
- ホームパーティーやイベントでの利用例を紹介
- 季節イベント(母の日、クリスマス、お歳暮)と組み合わせる
「一度買ったら終わり」ではなく、「リピートしたい」と思わせるのが狙いです。
8. 安心・安全の裏付け(S2:不安を解消)

食品ECにおける購入のハードルは、安心して口にできる品質かどうかにあります。
- HACCP認証や衛生管理体制を紹介
- 「老舗だから安心」「創業○年の実績」など歴史的な証拠を提示
- 「安い理由」を説明する(卸を通さないから安価、など)
たとえ小さな一文でも「安全性への配慮がある」と伝わるだけで、安心感は大きく変わります。
9. 商品の詳細情報


最後に実務的な情報を網羅することで、疑問を完全に解消します。
- サイズ、重量、内容量
- 賞味期限、保存方法
- 配送形態やギフト包装の有無
「届いてから困る」要素をなくすことで、購入のハードルを下げます。
10. 商品まとめ(S3:情報を整理)

ここまでの情報を簡潔に整理します。
- 「無添加」「国産素材」「レビュー高評価」のように要点を箇条書き化
- アイコンや図解を使って視覚的にまとめる
情報を頭の中で再構築する作業を省いてあげると、購買決断が早まります。
11. クロージング用ファーストビュー(A:行動促進)
最後にもう一度、冒頭と同じ強力なビジュアルで締めます。
シズル感たっぷりな訴求力の高いビジュアルで、購入を後押しするイメージです。
5. 写真の選び方・使い方

食品ECにおける写真は、単なるイメージ素材ではありません。人はまず視覚から商品を評価し、わずか1〜3秒で「買う/買わない」を判断します。そのため、どんなに素晴らしい文章を並べても、写真の力が弱ければ売上は伸びません。逆に、写真の質が高いだけでクリック率やCVR(購入率)が何倍も変わるのです。
写真が果たす役割
- 感情を動かす:湯気や照り、断面の美しさは「食べたい」という本能に直結します。
- 情報を伝える:量、サイズ感、パッケージの有無など、文章より早く理解できます。
- 安心感を与える:清潔な調理風景や整ったパッケージ写真は、衛生管理や信頼感を裏付けます。
訴求ポイント別・効果的な写真
- シズル感重視
肉汁の滴る瞬間、湯気の立つスープ、光沢のあるスイーツ断面。これらは「美味しそう」という感情を一瞬で引き出します。撮影時は照明を工夫し、テカリや質感を強調することが重要です。 - メガ盛り/コスパ訴求
「こんなに入ってこの価格!」を伝えるためには、引きの写真が有効です。大皿に山盛り、パッケージを複数並べるなど、量感を強調したカットが効果的。数字を併記すれば説得力がさらに増します。 - ギフト訴求
贈答品としての価値は、パッケージやラッピングの美しさで決まります。箱を開ける瞬間の写真や、リボン付きの外観写真を掲載すると「贈り物として使える」と直感させられます。母の日、父の日、クリスマスなどのシーズンを意識したカットも効果的です。 - ブランド訴求
知名度のあるブランドは、ロゴや店舗写真を全面に出すことで信頼感を醸成できます。「有名店の味が家で楽しめる」というメッセージを、写真一枚で表現するのです。
複数要素を組み合わせる工夫
一つの商品が複数の訴求ポイントを持つこともあります。例えば「ジューシーな肉餃子(シズル感)」かつ「1kg入り(コスパ感)」のような場合です。その際は、
- メイン写真にシズル感を打ち出す寄りのカット
- サブ写真に山盛りのボリュームカット

を並べることで、両方の魅力を伝えられます。レイアウトで切り替えやグラデーションを使えば、視覚的にも自然です。
撮影・選定時の注意点
- 引きの写真より寄りを優先:食品は質感を伝えることが重要。
- 照明と背景:木目や陶器など、食材を引き立てる背景を使うと高級感が増す。
- 手持ちカットの活用:「人の手で持っている」写真はサイズ感を伝えやすく、リアルさを演出できる。
- 清潔感の確保:食器やテーブルクロスにシミや乱れがあると、一気に信頼感を損なう。
魅力的な食品の写真についてさらに詳しく!
こちらの記事にて、食品ECにおける「魅力的な食品の写真」について、より詳しく解説しています。
ぜひこちらも併せてご覧ください。
6. 成功するLPに共通するポイント
数多くの食品LPを分析すると、「売れるページ」には必ず共通している法則があります。逆に言えば、このポイントを外せばどんなにおいしい商品でも成果は出にくいのです。ここでは成功事例に共通する要素を具体的に解説します。
1. 「当たり前」を徹底的に書く
食品LPでは「無添加」「国産素材」「国内工場生産」など、一見すると当然のように思える情報を繰り返し強調します。なぜなら、購入者は細部の安心材料を探しているからです。
たとえば青汁市場では、多くのメーカーが無添加を謳っています。それでも「当たり前だから省く」のではなく、むしろ目立つ位置にしっかり書くことで差が出ます。ユーザーに「この会社はきちんと伝えてくれる」と思わせることが、安心感につながるのです。
2. レビューや実績を誇張して見せる
「レビュー★4.8/1,000件突破」「楽天ランキング3冠達成」といった実績は、購入を迷うユーザーにとって強力な後押しになります。食品は実物を試すまでわからないため、第三者の評価こそ最大の説得材料です。
成功しているLPは、小さな実績も大げさに見せる工夫をしています。例えば「食品部門 第10位」でも、「楽天市場食品ランキング入賞!」と打ち出せば十分訴求力があります。数字や実績は視覚的にわかりやすく提示するのがコツです。
3. 安心感の演出を欠かさない
ユーザーが最後まで購入を迷う理由の多くは「不安」です。「安すぎるけど大丈夫?」「安全なの?」こうした疑念を払拭するのが、成功するLPの共通点です。
- 衛生管理やHACCP認証を明記する
- 創業年数や老舗の歴史を伝える
- 実店舗での販売実績を提示する
- 梱包や配送の丁寧さを写真で見せる
こうした「安心材料」を適切に散りばめるだけで、離脱率は大幅に下がります。
4. 情報を過不足なく提示する
購入者は「量は?」「賞味期限は?」「どう保存するの?」といった実務的な疑問を抱えています。これらを先回りして解消しているLPほど、スムーズに購入につながります。
逆に、詳細情報が抜け落ちていると「買ってから困りそう」と思われ、離脱されます。成功するLPは必ず、細かい情報まで網羅しつつ、見やすく整理しています。
5. 利用シーンやストーリーで購買を後押しする
ただ「美味しい」と伝えるだけでは足りません。成功するLPは必ず「どんな人が、どんな場面で使うのか」を描いています。
- 「受験勉強中のお子様に」
- 「忙しい日の夕食に」
- 「大切な人への贈り物に」
こうした提案を加えることで、ユーザーは自分の生活に置き換えやすくなり、購入動機が強化されます。
6. デザインを軽視しない
どんなに良い写真や文章でも、デザインが乱れていれば台無しです。成功するLPは必ず「フォント選び」「余白」「配置」まで丁寧に設計されています。
特に食品は「美味しそう」「清潔感がある」という第一印象が命です。参考デザインをベンチマークしつつ、ブランドの世界観に合った統一感を持たせることが重要です。
7. 行動を促す仕掛けを入れる
「数量限定」「今だけ送料無料」「期間限定セール」など、行動を促す要素が成功LPには必ずあります。食品は特に「鮮度」「季節感」と結びつきやすく、限定性を活かしやすいジャンルです。クロージングの場面で強い仕掛けを入れることで、迷っていたユーザーを一気に購入へ導けます。
まとめ:食品ECにおけるLPは「設計された導線」で成果が決まる
食品ECにおいて、成果を上げるLPとは単なる商品ページではなく、「購買意欲を高める仕組みの集合体」と言えます。
- ファーストビューで関心を喚起し
- レビューや実績で信頼感を持たせ
- 商品特性や差別化要素で納得を得て
- 利用シーン提案で必要性を想起させ
- 安心・安全の裏付けで不安を解消し
- まとめとクロージングで購入を後押しする
この一連の流れによって、自然な「購買導線」が形成されます。
特に、写真は文章以上に強力な訴求力を持つ要素です。シズル感・ボリューム感・ギフト感・ブランド感を的確に演出することで、コンバージョン率は大きく向上します。また、「当たり前のことでも丁寧に伝える情報」や「安心感を補強する要素」を随所に盛り込むことで、LP全体の説得力が一層高まります。
市場の拡大と競合の激化が進む中で、単に商品を掲載するだけでは他社に埋もれてしまいます。差別化を図るためには、ユーザー心理を踏まえた戦略的なLP設計が不可欠です。
食品ECのLPは、作り方次第で「売れにくい商品を売れる商品へと変える力」を持っています。本記事でご紹介したノウハウを参考にしていただければ、さらに次のステージへと進むことができるかもしれません。