1. 導入
「ページは綺麗に作ったのに、なぜか売れない」
「広告をかけてPVは増えたが、CVRがまったく上がらない」
こうした悩みを抱えている食品EC担当者の方は多いのではないでしょうか。
楽天・Amazon・Yahoo!・自社ECなど、どのチャネルであっても、売上を構成する要素は「集客 × 転換(CVR) × 単価 × リピート」に集約されます。そして、この中で最も軽視されやすく、しかし最も改善インパクトが大きいのが「商品ページの構成=LP(ランディングページ)」です。
Gastroduce Japanではこれまで300社を超える食品EC事業者を支援してきました。その中で、明確に売れるページと売れないページには共通する要素があることがわかっています。
本記事では、**売れる食品ページに必要な「10のチェックポイント」**を、戦略設計〜実践まで網羅的に解説します。
どれも難解なテクニックではなく、今日から見直し・改善が可能な内容です。
2. 市場背景と課題

近年の食品EC市場は、次のような構造変化に直面しています:
- 広告費の高騰(RPP・Amazon SPなど)
- 検索アルゴリズムの変化(レビュー・CVR・回遊率重視)
- 消費者の購入決定時間の短縮化(スマホ完結、感覚的購入)
つまり、ただ流入を増やすだけでは売れない時代になったのです。
その一方で、EC運営側では以下のような“よくある勘違い”が放置されています。
- 「商品力があれば勝手に売れる」
- 「見た目が綺麗なら売れる」
- 「セールやクーポンに出せば売れる」
しかし実際は、「売れるページ」には明確な構成と心理設計のパターンがあり、それを踏まえて設計されたページはCVRが2〜3倍に向上することも少なくありません。
現場では「なんとなく」制作されたページが多く存在しています。
それを戦略と設計のあるページに変えることこそが、これからの食品ECの勝ち筋だといえるでしょう。
3. 成功の原則・戦略設計
売れる食品ページは「機能 × 情緒 × 信頼」の掛け合わせで構成されている
食品ECにおける購入決定要因は、次の3軸が重なったときに最大化されます。
- 機能的価値:量、原材料、価格、保存性などの事実情報
- 情緒的価値:美味しさ、ストーリー性、手間の削減など“感覚的な魅力”
- 信頼形成要素:レビュー、ランキング受賞、製造背景などの裏付け
これらを、ファーストビュー〜詳細情報にかけて段階的に設計することがCVRを押し上げる鍵です。
食品ECにおけるページ構成の基本ステップ
- ファーストビュー(FV)
→ 1秒で「誰の」「どんな課題を」「どう解決するか」を伝える
→ 美味しさ+ボリューム感+割引訴求+ランキングやレビュー実績を1画面に凝縮 - 商品特徴・ベネフィット
→ 食品の原材料、製造工程、味、保存方法などをビジュアルで表現
→ “他商品との違い”が明示されているかが重要 - お客様の声(レビュー)・実績
→ 数だけでなく「こんな方に支持されている」という質の見せ方も必要 - 利用シーン・活用例
→ 食卓やギフトなどのシーン写真、アレンジ提案で“自分ゴト化” - 注文導線の強化
→ ボタンの配置・色・文言、カートへの動線が明確かどうか
食品EC特有のCVR向上観点
- ギフト vs 自家需要のページ設計分岐
→ ギフト:パッケージ・日付指定・のし対応・用途別提案
→ 自家需要:コスパ、ストック性、子育て・高齢者配慮など - 嗜好品 vs 必需品のターゲット明確化
→ 嗜好性が強い食品はストーリーや情緒性を重視
→ 毎日使う食品は手軽さ・コスパ・健康要素が響く - LPだけでなく商品名・サムネイル設計まで一貫させる
→ 検索結果で勝負は始まっている
4. 実践ノウハウ・事例紹介
以下は、実際にGastroduce Japanが支援した2社の実例です。
事例①:冷凍惣菜メーカー(自家需要訴求)
課題
・楽天スーパーセール時のCVRが平均0.8%と低迷
・FVに商品画像が1枚、背景白のみ、テキストなし
改善施策
・FVに「子育て家庭に人気!10分で夕飯完成」の文言とイメージ写真追加
・「よくある声(レビュー)」を3つ掲載
・「1週間の献立例」付きPDFプレゼントを訴求

結果
・CVR:0.8% → 1.9%(約2.4倍)
・レビュー数:月間20件 → 150件
・RPP広告ROAS:1.2倍 → 2.3倍
事例②:高級フルーツギフト事業者(ギフト需要)
課題
・ページに「贈り物」としての訴求が薄く、自家需要と思われていた
・お届けイメージやのし情報が記載されていない
改善施策
・FVに「父の日/誕生日ギフト」と用途ラベル追加
・「贈って喜ばれたレビュー」だけを抜粋して掲載
・“箱を開けた時の感動”イメージ写真を追加

結果
・ギフト経由の購入率:17% → 42%
・LINE経由再訪率:8.1% → 14.7%
・レビュー平均:★4.3 → ★4.7へ上昇
これらの事例に共通しているのは、ページ設計に「購入者心理」と「使用シーン」を組み込んだことです。
“見た目の美しさ”ではなく、“売れる構造”に注力することが成果の鍵であることが分かります。
5. まとめ・次のアクション提案
食品ECにおいて、ページの出来がCVRに与える影響は極めて大きく、以下のような波及効果があります:
- 広告効率(ROAS)の改善
- 検索表示順位の上昇(楽天SEOにおけるCVR影響)
- クチコミ増加による指名検索
- ギフト需要など新規層の獲得
🔟 売れる食品ページ「10のチェックポイント」
- FVで「誰に」「何を」「どう美味しいか」が1秒で分かる
- 商品名・価格・原材料など“買う理由”がすぐに探せる
- 情緒的訴求(感動/安心/感謝/健康)が盛り込まれている
- ギフト or 自家需要の導線が明確に設計されている
- 実際のレビューが“声”として見やすく配置されている
- 食卓・利用シーンなど“自分ゴト”化できる要素がある
- 注文導線(カート・ボタン)がスムーズで迷いがない
- 他商品との比較で「これを選ぶ理由」が明示されている
- LPとサムネイル/商品名/検索対策が一貫している
- 商品・季節・ターゲットに応じてページが最適化されている
「ページの見た目」ではなく「売れる構造」が重要です。
CVRを2倍にするには、広告を倍にするよりページ改善が早くて確実です。
Gastroduce Japanでは、食品EC専門だからこそできる“売れるページ設計”を支援しています。
ページ診断から制作・広告運用連携まで一気通貫で伴走可能です。
まずは無料のページ診断から、お気軽にご相談ください。