TikTok Shopの成功事例とは、「TikTok Shopでの販売の成果や反響を、TikTokや販売した会社、支援した会社が数字で公表した事例」です。
公表される数字は売上の金額とは限らず、GMV(流通総額)の伸び率や広告の投資対効果、カテゴリの順位、受賞歴や再生回数など、事例によって指標はさまざまです。
TikTok Shopへの出店を考え始めると、他社の成功事例について、こんな疑問が浮かんでくるのではないでしょうか。
- 日本でTikTok Shopに成功した会社には、どんなジャンルの会社があるのか知りたい
- 成功した会社が、動画やLIVE配信をどう使って売ったのかを具体的に見たい
- 自社の商品でも同じように売れるのか、何から始めればよいのかを判断したい
日本の11事例を並べてみると、ジャンルは違っても、くり返し出てくる施策は5つに絞られます。自社のLIVE配信、クリエイターによる紹介、売り手本人の出演、売る日の設定、そして広告です。一方で、「◯倍」が何と比べた数字なのか、どの指標の数字なのかは事例ごとに異なるため、条件をそろえてから読み比べる必要があります。
本記事では、TikTok Shopの成功事例の定義、日本の成功事例11選、事例に見る5つの共通点、成果の数字を読むときの4つの注意点、自社で再現する4つのステップを順に解説します。
読み終えるころには、自社に近い事例がどれで、最初に何を決めておけばよいかが見えてくるはずです。社内でTikTok Shopへの出店を提案する前の下調べとして、お役立ていただければ幸いです。
この記事の対象者
- これからTikTok Shopに出店するかを決める、ブランド・メーカーのEC担当者の方
- TikTok Shopに出店したものの、売り方の手本になる事例を探している方
- 社内でTikTok Shopの成果を説明する材料を集めている方
この記事を読んでわかること
- 国内のTikTok Shopの11事例について、売り方と公表された成果
- 事例にくり返し見られる5つの施策と、成果の数字の読み方
- 成功事例を自社で再現するときに、最初に決めること
- TikTok Shopの成功事例とは?|日本で成果が公表された事例と、その数字の出どころ
- 【日本】TikTok Shopの成功事例11選|ジャンル別に売り方と成果を比較
- 株式会社松屋フーズ|広告(GMV Max)のROIが、開始初月から8〜9倍
- 株式会社モスフードサービス|売上の約8割が、クリエイターの商品紹介経由
- 下町バームクーヘン|クリエイターの投稿を積み上げ、出店2か月で食品カテゴリ1位
- 株式会社オカラテクノロジズ「OKARAT」|工場長が語りかける動画で、ヒットアイテム部門賞
- クロックス・ジャパン|月30回超のLIVE配信で、GMVが初月比40倍以上に
- ギャップジャパン|店舗の販売員がクリエイターになり、翌月のGMVが初月比200倍
- 株式会社Pixie「CARiNOショップ」|「CARiNOミゲル」の動画とライブ配信で、注文1,220件
- 王子製薬株式会社|ほぼ毎日のLIVE配信で、広告経由の流通総額が前月比約4,500%の月も
- Anker Japan株式会社|ザ・ブランドデーで、GMVが通常時の50倍以上
- 株式会社Cellest「ぞうねこちゃんねる」|1回約3時間のLIVE配信を月約90本
- 兵庫県豊岡市・但馬米穀株式会社|市長と生産者が出演し、お米を予定在庫の4倍以上出荷
- TikTok Shopの成功事例に見る5つの共通点
- TikTok Shopの成功事例の数字を読むときの4つの注意点
- TikTok Shopの成功事例を自社で再現する4つのステップ
- TikTok Shopの成功事例に関するよくある質問
- まとめ:TikTok Shopの成功事例
- あわせて読みたい
TikTok Shopの成功事例とは?|日本で成果が公表された事例と、その数字の出どころ
TikTok Shopの成功事例とは、「TikTok Shopでの販売の成果や反響を、TikTokや販売した会社、支援した会社が数字で公表した事例」です。 本記事では、日本での販売事例のなかから、成果の数字と売り方の両方が公表されているものだけを選びました。
日本でTikTok Shopの提供が始まったのは2025年6月30日なので、11事例はいずれもそこから1年あまりのあいだに生まれたものです。
TikTok Shopでは、ユーザーが動画やLIVE配信で商品を知り、その場で購入する流れが中心になっています。実際、2026年6月30日までの1年間で、流通総額(GMV)の70%以上をコンテンツ起点の購入が占めました。
ですから成功事例を見るときも、成果の数字だけでなく、どんな動画やLIVE配信で売ったのかまで押さえておくと、自社の商品に置き換えて考えやすくなります。
関連記事:TikTok Shopは日本でいつから?市場規模と食品カテゴリーの動向
【日本】TikTok Shopの成功事例11選|ジャンル別に売り方と成果を比較
ここでは、日本のTikTok Shopで成果が公表された11件を、食品、ファッション、ホームケア・パーソナルケア、家電、ライブコマースチャンネル、自治体の順に紹介します。 一覧表には、成果の数字に加えて、何と比べた数字なのか、どこが公表したのかも載せています。
はじめにお断りしておくと、食品の最初の3件はGastroduce Japan株式会社が支援した事例です。また、本記事を掲載しているモールハックは、株式会社松屋フーズとGastroduce Japan株式会社の合弁会社です。
- 株式会社松屋フーズ|広告(GMV Max)のROIが、開始初月から8〜9倍
- 株式会社モスフードサービス|売上の約8割が、クリエイターの商品紹介経由
- 下町バームクーヘン|クリエイターの投稿を積み上げ、出店2か月で食品カテゴリ1位
- 株式会社オカラテクノロジズ「OKARAT」|工場長が語りかける動画で、ヒットアイテム部門賞
- クロックス・ジャパン|月30回超のLIVE配信で、GMVが初月比40倍以上に
- ギャップジャパン|店舗の販売員がクリエイターになり、翌月のGMVが初月比200倍
- 株式会社Pixie「CARiNOショップ」|「CARiNOミゲル」の動画とライブ配信で、注文1,220件
- 王子製薬株式会社|ほぼ毎日のLIVE配信で、広告経由の流通総額が前月比約4,500%の月も
- Anker Japan株式会社|ザ・ブランドデーで、GMVが通常時の50倍以上
- 株式会社Cellest「ぞうねこちゃんねる」|1回約3時間のLIVE配信を月約90本
- 兵庫県豊岡市・但馬米穀株式会社|市長と生産者が出演し、お米を予定在庫の4倍以上出荷
| 企業・ブランド | ジャンル | 中心にした売り方 | 公表された成果 | 比較の起点・期間 | 公表元に記載された支援会社 | 公表元 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 株式会社松屋フーズ | 食品(冷凍食品) | 牛めしのセットと福袋、クリエイターとのアフィリエイト連携、広告(GMV Max) | 広告(GMV Max)のROI 8〜9倍 | 2025年10月6日の販売開始の初月から継続 | Gastroduce Japan株式会社 | TikTok(TikTok for Businessのブログ) |
| 株式会社モスフードサービス | 食品 | クリエイターによる商品紹介、ザ・ブランドデー | オンラインショップ全体売上の約20%、売上の約8割がクリエーターによる商品紹介経由 | 2026年4月の開設から4カ月(2026年8月27日の発表) | Gastroduce Japan株式会社(ザ・ブランドデーの運用面) | PR TIMES(Gastroduce Japan株式会社の発表) |
| 下町バームクーヘン | 食品(洋菓子) | クリエイター経由の投稿 | 月商3,000万円超、食品カテゴリ1位、総合ランキング2位 | 出店2カ月(2025年10月の発表) | Gastroduce Japan株式会社 | PR TIMES(Gastroduce Japan株式会社の発表) |
| 株式会社オカラテクノロジズ「OKARAT」 | 食品(おからのお菓子) | 工場長が語りかける動画 | 「TikTokトレンド大賞2025」ヒットアイテム部門賞、動画の総再生回数約1,400万回 | 2026年2月3日の発表 | 記載なし | TikTok(ニュースルーム) |
| クロックス・ジャパン | ファッション(靴) | 朝晩の固定枠の自社LIVE配信(月30回超) | GMV 40倍以上 | 出店初月と2か月目の比較 | 記載なし | TikTok(ニュースルーム) |
| ギャップジャパン | ファッション | 店舗の販売員によるショート動画(月164本) | GMV 200倍 | 2026年4月の出店初月と翌月の比較 | 記載なし | TikTok(ニュースルーム) |
| 株式会社Pixie「CARiNOショップ」 | ファッション(靴) | 代表の発信、ライブコマース | 累計売上1,860万7,610円、注文1,220件 | 2025年7月1日から9月14日まで | 記載なし | PR TIMES(株式会社Pixieの発表) |
| 王子製薬株式会社 | ホームケア・パーソナルケア | 1回4〜6時間の自社LIVE配信をほぼ毎日、クリエイターの投稿 | 広告経由の流通総額が約4,500%成長 | 前月との比較(その成長を記録した月がある) | 記載なし | TikTok(ニュースルーム) |
| Anker Japan株式会社 | 家電 | ザ・ブランドデー、110名以上のクリエイター、3日間連続のLIVE配信 | GMV 50倍以上、3日連続で全カテゴリのGMV1位 | 通常時との比較(ザ・ブランドデーの期間) | 株式会社サイバーティカル | TikTok(ニュースルーム)、株式会社サイバーティカル |
| 株式会社Cellest「ぞうねこちゃんねる」 | ライブコマースチャンネル(コスメ・アパレルなど) | 1回約3時間のLIVE配信を月約90本、広告(GMV Max) | 月間GMV2億円以上、広告のROI 67倍 | 2025年8月から10月 | 株式会社スタンドアロー(広告) | TikTok(TikTok for Businessのブログ) |
| 兵庫県豊岡市・但馬米穀株式会社 | 自治体(お米など9品目) | 産地からのLIVE配信、事前動画と広告(GMV Max) | 売上500万円弱、累計10万視聴 | 2日間のLIVE配信 | 株式会社IZULCA(豊岡市と共同で実施) | TikTok(TikTok for Businessのブログ) |
株式会社松屋フーズ|広告(GMV Max)のROIが、開始初月から8〜9倍
松屋フーズは、開始初月から広告(GMV Max)でROI 8〜9倍を継続的に達成した事例です。 販売開始は2025年10月6日で、ECパートナーのGastroduce Japanと組んで立ち上げました。
注目したいのは、広告をかける前に、商品とクリエイターによる紹介の体制を整えている点です。商品は、他モールでも売れていた「牛めし」の10〜30食セットと、クリエイターが紹介しやすい3〜4種入りのバラエティ福袋の2本立て。そこへ100人を超えるクリエイターがアフィリエイトで加わり、まずは150本ほどの動画を投稿してもらっています。
広告(GMV Max)をかけたのは、こうして集まった動画のうち成果の高いもので、広告で再生数をさらに伸ばしました。2026年4月には、TikTok Shopのブランドデーとして食品カテゴリーで初めてとなる「松屋フーズデー」も開催されています。
誰もが知るブランドでも他モールと同じ商品構成で済ませず、クリエイターが紹介しやすい商品を別に用意している点は、食品以外のジャンルでも取り入れやすい工夫です。
株式会社モスフードサービス|売上の約8割が、クリエイターの商品紹介経由
モスフードサービスは、クリエイターの商品紹介が売上の大半を占める事例です。 2026年4月に開設したショップは、開始から4カ月でオンラインショップ全体売上の約20%を占めるまでに育ち、その売上の約8割がクリエーターによる商品紹介経由でした。
2026年8月27日の発表時点で、投稿された商品関連の動画は1,000本を超えています。
その後、2026年9月1日から5日にかけては、食品ブランドとして2社目となるザ・ブランドデー「モスバーガーデー」が開かれました。この回は、Gastroduce Japanが運用面を支援しています。
下町バームクーヘン|クリエイターの投稿を積み上げ、出店2か月で食品カテゴリ1位
下町バームクーヘンは、出店から2カ月で月商が3,000万円を超え、食品カテゴリで1位、総合ランキングで2位に入った洋菓子のブランドです。 この成果は、支援したGastroduce Japanが2025年10月に発表しました。
出店直後はクリエイター経由の投稿本数を先に積み上げ、1本のヒット動画に頼らなくても売れる状態をつくっています。Gastroduce Japanは、売上より先に「1日に何件まで出荷できるか」を決め、そこから投下量を設計しました。
外食チェーンのように店舗で名前が知られていなくても、出店から短期間で食品カテゴリの上位に届くことを示した事例といえるでしょう。
株式会社オカラテクノロジズ「OKARAT」|工場長が語りかける動画で、ヒットアイテム部門賞
OKARATは、工場長が自ら語りかける動画でユーザーの共感を集めた、おからのお菓子の事例です。 販売元の株式会社オカラテクノロジズは売上の金額を公表していませんが、「TikTokトレンド大賞2025」でヒットアイテム部門賞を受賞しています。
動画に登場するのは、工場着姿の工場長です。商品についてやさしく語りかけるスタイルで、おからの廃棄から商品開発までの過程を描いた動画は、総再生回数が約1,400万回に上りました。
フードロス削減という商品の背景を、作り手本人の言葉で伝えているのがポイントです。商品の成り立ちに語れるストーリーがあるブランドなら、ぜひ参考にしたい見せ方だと思います。
クロックス・ジャパン|月30回超のLIVE配信で、GMVが初月比40倍以上に
クロックス・ジャパンは、自社のLIVE配信を続けた結果、出店2か月目のGMVが初月の40倍以上に伸びた事例です。 出店して間もない時期から自社でLIVE配信の体制を整え、朝と晩の固定枠で月30回を超える配信を続けています。
配信で紹介しているのは、コーディネートやチャームの組み合わせ方です。ジビッツチャームで靴をカスタマイズできるという、商品ならではの特徴を生かしました。
組み合わせ次第で見え方が変わる商品だからこそ、画面の前で実際に組み合わせて見せる売り方がはまったのでしょう。
ギャップジャパン|店舗の販売員がクリエイターになり、翌月のGMVが初月比200倍
ギャップジャパンは、店舗の販売員が自分のTikTokアカウントでクリエイターとして発信した事例です。 2026年4月に出店し、翌月にはGMVが初月の200倍に伸びています。
販売員たちが動画にしているのは、売り場で培ったスタイリングの知見や接客のノウハウです。投稿は月164本にのぼり、最も再生された動画は410万回を超えました。
自社アカウントの運用を本格化させる前から、販売員がクリエイターとして動き出していたことが、立ち上がりの早さにつながったと考えられます。店舗を持つブランドであれば、販売員が日々お客様に伝えていることが、そのまま動画の題材になるはずです。
株式会社Pixie「CARiNOショップ」|「CARiNOミゲル」の動画とライブ配信で、注文1,220件
CARiNOショップは、全国14店舗の靴店を運営する株式会社Pixieが開設し、2か月半で累計売上1,860万7,610円を記録した事例です。 期間は2025年7月1日から9月14日までで、この間の注文数は1,220件。広告費は10万円に抑えています。ライブ配信では、1日で450万円を売り上げました。
発信の中心に立つのは、「CARiNOミゲル」として活動する代表の古江貴宏氏です。4Kカメラで撮った商品紹介の動画や、工場での製造工程を伝える映像で関心を集め、ライブ配信で購入につなげる流れをつくりました。
広告に大きな予算を割けない段階のブランドにとって、代表本人が顔を出して商品を語るこのやり方は、真似しやすい手本の一つです。
王子製薬株式会社|ほぼ毎日のLIVE配信で、広告経由の流通総額が前月比約4,500%の月も
王子製薬は、長時間の自社LIVE配信をほぼ毎日続けて、ファンを育てた事例です。 扱っているのはホームケアとパーソナルケアの商品で、配信は1回4〜6時間に及びます。
配信と並行して、クリエイターの投稿や自社のオーガニック投稿も展開し、LIVE配信を見ていないユーザーにも商品が届くようにしました。広告経由の流通総額が前月比で約4,500%成長した月もあります。
王子製薬では、新しい視聴者が入ってきて常連になり、やがて購入する、という好循環が生まれています。ほぼ毎日の長時間配信が、常連を育てる場として機能しているわけです。
Anker Japan株式会社|ザ・ブランドデーで、GMVが通常時の50倍以上
Anker Japan株式会社は、1つのブランドが主役になるキャンペーン「ザ・ブランドデー」で、GMVを通常時の50倍以上に伸ばした事例です。 期間中は3日連続で全カテゴリのGMV1位を獲得しました。ここでいう全カテゴリとは、ファッションや食品・飲料などの主要カテゴリを横断したデイリーランキングのことです。
運用を支援した株式会社サイバーティカルは110名以上のクリエイターを起用し、期間中に150本以上のショート動画を公開したうえで、3日間連続のLIVE配信も行いました。
紹介した製品の一部は検索数が増え、その効果はほかのECプラットフォームにも広がっています。TikTok Shopでの紹介が、外の売り場にまで波及することもある、という好例です。
関連記事:【2026年最新】TikTok Shop ザ・ブランドデーとは|開催一覧・事例・参加までの準備を解説
株式会社Cellest「ぞうねこちゃんねる」|1回約3時間のLIVE配信を月約90本
ぞうねこちゃんねるは、ライブコマースチャンネルとして月間GMV(流通取引総額)2億円以上を売り上げた事例です。 運営するのは株式会社Cellestで、この数字は2025年8月から10月の実績です。
配信は1回約3時間で、月に約90本。9名のLIVEクリエイターを企画ごとに割り当てて回しています。配信中は広告で視聴者を呼び込んでおり、TikTok Shop上での広告のROIは67倍を記録しました。
さらに2025年11月25日から29日の「ブラックフライデー 90時間連続配信チャレンジ」では、期間中の流通取引総額(GMV)が1億733万6,153円に達しています。
ぞうねこちゃんねるは、バイヤーが仕入れた商品をLIVE配信で紹介して売るチャンネルです。自社ブランドのLIVE配信を外部に任せようと考えている場合は、依頼先の配信本数や人員の体制を見比べるときの物差しになるでしょう。
兵庫県豊岡市・但馬米穀株式会社|市長と生産者が出演し、お米を予定在庫の4倍以上出荷
豊岡市の事例は、産地から2日間のLIVE配信を行い、累計10万視聴、売上500万円弱を記録した自治体の取り組みです。 企画は豊岡市と株式会社IZULCAの共同で、但馬米穀株式会社などの事業者が商品を出品しました。
配信には生産者や事業者が直接出演し、豊岡市長や市のマスコットキャラクターも顔をそろえました。当日に向けては事前動画を14本制作し、広告(GMV Max)も使って視聴者を集めています。
なかでも反響が大きかったのがお米です。出品した9品目のうち、お米は予定していた在庫の4倍以上を出荷し、売上全体の約9割を占めました。
生産者が自分の言葉で語れば、ブランドの知名度に頼らなくても、産地への信頼は画面越しに伝わる。そう感じさせてくれる事例です。
自社の商品に近い事例を手本にして売り方を組み立てたいときは、モールハックのTikTok Shop運用代行までご相談ください。
TikTok Shopの成功事例に見る5つの共通点

11事例を横に並べると、ジャンルの違いを越えて、次の5つの施策がくり返し登場します。 どの事例も少なくとも1つには当てはまり、半数を超える6件は2つ以上を組み合わせていました。
- 自社のLIVE配信を、決まった枠で続けている
- 社外のクリエイターに、商品を紹介してもらっている
- 代表・販売員・工場長など、売り手本人が画面に出ている
- ブランドデーやセールなど、売る日を決めて注文を集めている
- GMV Maxなどの広告も、売り方に組み込んでいる
| 企業・ブランド | 自社のLIVE配信を決まった枠で | 社外のクリエイターの紹介 | 売り手本人の出演 | 売る日を決める | 広告の活用 |
|---|---|---|---|---|---|
| 株式会社松屋フーズ | — | ●100人を超えるクリエイター | — | ●松屋フーズデー | ●成果の高い動画にGMV Max |
| 株式会社モスフードサービス | — | ●売上の約8割がクリエイター経由 | — | ●モスバーガーデー | — |
| 下町バームクーヘン | — | ●クリエイター経由の投稿本数 | — | — | — |
| 株式会社オカラテクノロジズ「OKARAT」 | — | — | ●工場長 | — | — |
| クロックス・ジャパン | ●朝晩の固定枠、月30回超 | — | — | — | — |
| ギャップジャパン | — | — | ●店舗の販売員 | — | — |
| 株式会社Pixie「CARiNOショップ」 | — | — | ●代表 | — | — |
| 王子製薬株式会社 | ●1回4〜6時間をほぼ毎日 | ●クリエイターの投稿 | — | — | ●広告経由の流通総額 |
| Anker Japan株式会社 | — | ●110名以上のクリエイターを起用 | — | ●ザ・ブランドデー | — |
| 株式会社Cellest「ぞうねこちゃんねる」 | ●1回約3時間を月約90本 | — | — | ●ブラックフライデーの連続配信 | ●配信中の広告、GMV Max |
| 兵庫県豊岡市・但馬米穀株式会社 | — | — | ●市長・生産者 | ●2日間のLIVE配信 | ●事前動画にGMV Max |
自社のLIVE配信を、決まった枠で続けている
クロックス・ジャパン、王子製薬、ぞうねこちゃんねるの3件は、時間帯や本数を決めたうえで、自社のLIVE配信を続けています。 ペースは三者三様で、クロックス・ジャパンは朝晩の固定枠で月30回超、王子製薬は1回4〜6時間をほぼ毎日、ぞうねこちゃんねるは1回約3時間を月約90本です。
LIVE配信は、同じ時間に開き続けるほど「この時間に行けばやっている」と覚えてもらえ、常連の視聴者が育ちやすくなります。いきなり毎日を目指すより、まずは週に何回、何時から配信するかを決めて、無理なく続けられる本数から始めるのがおすすめです。
関連記事:TikTok Shopライブコマースの成功事例|食品D2Cが売上を伸ばした共通パターン
社外のクリエイターに、商品を紹介してもらっている
松屋フーズ、モスフードサービス、下町バームクーヘン、王子製薬、Anker Japanの5件は、社外のクリエイターに商品を紹介してもらっています。 規模で見ると、松屋フーズは100人を超えるクリエイターとアフィリエイトで連携し、Anker Japanは110名以上を起用しました。モスフードサービスに至っては、売上の約8割がクリエイターの商品紹介経由です。
TikTok Shop全体を見ても、GMV規模が最も大きいセラーのグループでは、動画経由のGMVの90%以上をアフィリエイトが占めています(2026年6月時点)。自社だけで作れる動画の本数にはどうしても限りがあるので、紹介してくれるクリエイターを増やすことが、動画の本数を確保するいちばんの近道になるはずです。
代表・販売員・工場長など、売り手本人が画面に出ている
CARiNOショップ、ギャップジャパン、OKARAT、豊岡市の4件は、売り手本人が動画やLIVE配信に出ています。 出演しているのは、CARiNOショップでは代表、ギャップジャパンでは店舗の販売員、OKARATでは工場長、豊岡市では市長と生産者でした。
作り手や売り手が自分の言葉で語ると、商品の背景や使い方が具体的に伝わります。開発担当者や店長など、社内に商品のことを熱心に語れる人がいれば、まずはその方に出演をお願いしてみてはいかがでしょうか。
ブランドデーやセールなど、売る日を決めて注文を集めている
松屋フーズ、モスフードサービス、Anker Japan、ぞうねこちゃんねる、豊岡市の5件は、日にちを区切った企画で注文を集めています。 松屋フーズ、モスフードサービス、Anker Japanはザ・ブランドデー、ぞうねこちゃんねるはブラックフライデーの連続配信、豊岡市は2日間のLIVE配信と、企画の形はさまざまです。
期間を区切ることで、クリエイターの紹介も広告もLIVE配信も、同じ日に向けて集中させられます。普段の配信や動画で準備を進めておき、そのうえで「この日に売る」という日を設けると、注文がまとまりやすくなります。
GMV Maxなどの広告も、売り方に組み込んでいる
松屋フーズ、王子製薬、ぞうねこちゃんねる、豊岡市の4件は、広告も使って売上を伸ばしています。 使い方を見ると、松屋フーズは成果の高い動画にGMV Maxをかけ、ぞうねこちゃんねるは配信中に、豊岡市は配信前の事前動画に広告を使って視聴者を呼び込みました。王子製薬は、広告経由の流通総額を大きく伸ばしています。
広告は、すでに反応のある動画やLIVE配信を、より多くのユーザーに届けるために使うのが効果的だと考えています。広告に予算を回すのは、紹介される商品と動画がそろってからでも遅くありません。
関連記事:TikTok ShopのGMV Max広告とは?仕組みと運用の考え方
TikTok Shopの成功事例の数字を読むときの4つの注意点
成功事例の数字は、比べる起点、指標、時点、公表元が事例ごとに異なるため、そのまま並べて大小を比べると読み違えるおそれがあります。 事例の数字を自社の計画に使う前に、次の4点だけは確認しておくと安心です。
- 伸びを示す「◯倍」「◯%」は、何と比べた数字かを確認する
- 売上の金額か、広告の効率か、ランキングの順位かを分けて読む
- 開催前の計画と、終わったあとの実績を分ける
- TikTok・支援会社・販売会社のどこが公表した数字かを見る
伸びを示す「◯倍」「◯%」は、何と比べた数字かを確認する

同じ「◯倍」でも、何を起点に比べたかで意味は大きく変わります。 11事例のうち、GMVや流通総額の伸びを倍率や%で示したのは4件です。その起点を見ると、クロックス・ジャパンとギャップジャパンが出店初月、王子製薬が前月、Anker Japanが通常時と、ばらばらでした。
ちなみに、松屋フーズとぞうねこちゃんねるの「◯倍」は広告のROIを示したもので、伸び率とはまったく別の指標です。
出店初月と比べる場合、初月の売上が小さいほど倍率は大きく出ます。前月と比べる場合も、前の月の数字が少なければ同じです。倍率の大きさに目を奪われる前に、まず何と比べた数字なのかを確かめてみてください。
売上の金額か、広告の効率か、ランキングの順位かを分けて読む
成功事例で示される数字は、大きく分けると、売上の金額、売上に占める割合、広告の効率、ランキングの順位、受賞や再生回数の5種類です。 11事例のなかでも、松屋フーズはROI、モスフードサービスは割合、下町バームクーヘンは月商と順位で成果を示しています。
広告のROIが高いからといって、売上の規模が大きいとは限りません。カテゴリ1位も、そのカテゴリの規模によって、裏にある売上の大きさは変わります。手本にするなら、自社が目標にしたい指標と同じ指標で成果を出している事例を選ぶのが確実です。
開催前の計画と、終わったあとの実績を分ける
ザ・ブランドデーなどの企画は、開催前に計画が発表され、終わったあとに結果が発表されることがあります。 開催前の発表に書かれている割引や起用人数は、あくまでその時点での計画です。
たとえばモスバーガーデーでは、開催前の2026年8月27日の発表で、クリエイター100名以上がライブコマース配信を行う計画が示されました。一方、開催後の2026年10月8日の発表で公表されたのは、Gastroduce Japanがこの回を支援したという事実です。CARiNOショップの発表にある年内の売上目標も、まだ実績ではありません。発表日と開催日を並べてみると、計画と実績のどちらの数字なのかを見分けやすくなります。
TikTok・支援会社・販売会社のどこが公表した数字かを見る
事例の公表元には、TikTok、支援した会社、販売した会社の3つがあります。 一覧表で成果の数字の公表元を数えてみると、TikTokが7件、支援した会社が2件、販売した会社が1件、TikTokと支援した会社の両方が1件という内訳でした。
公表元が違えば、集計の期間や方法の書き方も変わります。一覧表には載せていませんが、ぞうねこちゃんねるの運営会社が出したブラックフライデーの発表は、集計期間に加えて、TikTok Shopの管理画面の数値であることまで明記していました。社内資料などに数字を引用する際は、こうした集計の条件も一緒に控えておくと、あとで説明を求められたときに困りません。
TikTok Shopの成功事例を自社で再現する4つのステップ
成功事例を自社で再現するには、手本にする事例を1つに絞り、売り方の柱、出荷の上限、振り返りの指標を始める前に決めておくことが大切です。 具体的には、次の4つのステップで進めるとスムーズです。
- ①11事例から、自社と商品ジャンルの近い事例を選ぶ
- ②売り方の柱を、自社LIVE・クリエイター・売り手本人の出演のどれか1つに絞る
- ③1日に出荷できる件数を決めてから、注文を集める
- ④比べる指標と期間を、始める前に決めておく
①11事例から、自社と商品ジャンルの近い事例を選ぶ
最初に、商品ジャンルが自社と近く、知名度や店舗の有無も似ている事例を1つ選びます。 たとえば外食チェーンの冷凍食品なら松屋フーズ、店舗を持つ靴のブランドならCARiNOショップやクロックス・ジャパンが近いでしょう。
同じジャンルでも、全国に名の知れたブランドと立ち上げたばかりのブランドとでは、打てる手が違います。知名度が近い事例ほど、売り方をそのまま自社に置き換えやすいはずです。
②売り方の柱を、自社LIVE・クリエイター・売り手本人の出演のどれか1つに絞る
次に、手本の事例が何を中心に売っていたかを確かめ、自社でも最初の柱を1つに絞ります。 共通点で見た5つの施策を一度に始めようとすると、人手が追いつかなくなりがちです。
LIVE配信を続けられる人がいるなら自社LIVE、商品のサンプルを用意できるならクリエイターの紹介、代表や作り手が商品を語れるなら売り手本人の出演を柱にするのが現実的です。売る日の企画や広告は、柱にした施策で手応えが見えてから足していけば十分です。
③1日に出荷できる件数を決めてから、注文を集める
3つ目は、注文を集める前に、1日に何件まで出荷できるかを決めておくことです。 動画やLIVE配信が反響を呼ぶと、注文が短期間に一気に集中することがあるためです。
実際、豊岡市の事例では、LIVE配信の最中にお米の在庫が尽き、その場で追加の発注をかけています。在庫と出荷の体制を先に整えておき、出荷できる件数を超えそうなら、売る日を分けて注文を集める計画にしておくと安心です。
④比べる指標と期間を、始める前に決めておく
最後に、成果を判断する指標と、比べる期間を始める前に決めておきます。 売上の金額、GMVの伸び、広告のROIのどれで判断するかによって、見るべき事例の数字も変わってくるからです。
指標が決まったら、施策は1つずつ変えて、その前後で数字を比べていきます。複数の施策を同時に変えてしまうと、何が効いたのかが分からなくなるので注意が必要です。
TikTok Shopの成功事例に関するよくある質問
成功事例を自社に当てはめて考えるときに浮かびやすい疑問を、4つ取り上げます。
Q1. 知名度のないブランドでも、成功事例のように売れますか?
知名度だけで結果が決まるとは限らず、売り手本人が商品を語る動画で成果を上げた事例もあります。 靴店のCARiNOが開設したCARiNOショップでは代表が、おからのお菓子のOKARATでは工場長が、自ら語る動画で反響を集めました。
TikTok Shopでは、2026年6月30日までの1年間で、動画やLIVE配信などのコンテンツをきっかけにした購入が流通総額の70%以上を占めています。ブランド名と同じくらい、動画で何を伝えるかが売上を左右する場所だといえるでしょう。まずは、売り手本人だからこそ語れる商品の背景を、最初の動画の題材にしてみてください。
Q2. TikTok Shopでは、ジャンルごとにどんな商品が売れていますか?
2026年上半期にGMVが最も大きかった商品領域は、ファッションではレディーストップス、食品・飲料では生鮮・冷凍食品でした。 ファッションの上位3領域を見ると、レディーストップスに続いてレディースボトムス、バッグが並びます。
食品・飲料は、生鮮・冷凍食品、健康食品、主食(米・麺類)や調味料の順です。このほか、ビューティ、ホーム&リビング、家電の上位領域もTikTokが公表しています。本記事で紹介した11事例も、食品からファッション、家電まで幅広いジャンルにまたがっています。
Q3. 成功事例と同じ施策をしても売れないのは、なぜですか?
事例と自社とでは、知名度や商品、支援体制、比べている期間といった条件が違うため、同じ施策を打っても結果は変わってきます。 まずは事例の数字が何と比べたものかを確かめ、その条件を自社でも再現できるかを見直してみましょう。
それでも売上が伸びない場合は、表示回数、クリック率、購入率、客単価のどこが弱いのかを1つずつ切り分けていくと、原因を絞り込みやすくなります。
関連記事:TikTok Shopの売上が伸びない時の逆引き診断|指標分解で原因を1つに絞る手順
Q4. 成功事例には、支援会社に頼んだものと自社だけで運用したものがありますか?
11事例のうち6件は公表元に支援会社の名前が出ており、残りの5件には支援会社の記載がありません。 名前が出ているのは、松屋フーズ、モスフードサービス、下町バームクーヘン、Anker Japan、ぞうねこちゃんねる、豊岡市の事例です。
ただし、記載がないからといって、自社だけで運用していたとは限りません。支援会社に頼むかどうかは、LIVE配信の出演やクリエイターとのやり取りを、社内の誰が担えるかで考えるのが現実的です。
まとめ:TikTok Shopの成功事例
最後に、TikTok Shopの成功事例について要点を振り返ります。
- 成功事例の定義:TikTok Shopでの販売の成果や反響を、TikTokや販売した会社、支援した会社が数字で公表した事例。成果は、売上の金額だけでなく、GMVの伸び率や広告のROI、順位、受賞や再生回数でも公表される
- 日本の成功事例11選:食品4件、ファッション3件、ホームケア・パーソナルケア、家電、ライブコマースチャンネル、自治体が各1件。松屋フーズ、モスフードサービス、下町バームクーヘンはGastroduce Japanが支援した
- 5つの共通点:自社のLIVE配信を決まった枠で続ける、社外のクリエイターに商品を紹介してもらう、売り手本人が出る、売る日を決める、広告も組み込む。どの事例も1つ以上に当てはまる
- 数字を読む注意点:伸びを示す「◯倍」「◯%」の比べる起点、指標の種類、計画か実績か、公表元を確認する
- 再現の4ステップ:近い事例を1つ選び、売り方の柱を自社LIVE・クリエイター・売り手本人の出演から1つに絞り、出荷できる件数を先に決め、比べる指標と期間を始める前に決める。売る日の企画と広告は、柱で成果が見えてから足す
最初の一歩は、11事例から自社に近い事例を1つ選び、その事例が何を柱に売っていたかを確かめることです。売り方の設計からクリエイターの手配、LIVE配信の運営までを外部に頼むことも検討するなら、モールハックのTikTok Shop運用代行までご相談ください。